【本人談】メタルギアシリーズの、小島監督本人による裏話まとめ!!

メタルは殆んど父性の物語です。父子の対立の話と子が親を乗り越える話です。だからこそ女性のヴォーカルを充ています。でもMGS3だけは母性の物語なのでED曲を男性バンドのスターセーラーにしました。RT @bassmiru: そういえばMGSのテーマソングって全部女性ボーカルですけど

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 7, 2010

MGSシリーズは反核反戦が裏テーマ。MGSでは次世代までに影響を与える核と遺伝子(GENE)、MGS2ではデジタル管理社会とMEME、MGSでは核兵器が拡散した冷戦下の時代(SENCE)、MGS4では未来の代理戦争(SCENE)、PWでは平和(PEACE)の為の抑止力とAI核兵器、MGSVでは報復(REVENGE)の連鎖と民族(RACE)を描いた。 pic.twitter.com/QqiHsfqbs3

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) April 29, 2022

「MGS」は当初、システム上の事情から敵が持っている銃や落とした銃をつかえないという制約があった。当時のリニアのシューターでは落ちている武器をとって進むものもあった。「MGS２」では、敵兵の銃はID登録されているのでプレイヤーは使えないという仮設定を置いた。「MGS4」ではそれを物語設定に。 https://t.co/NPtROY6XrD

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) January 19, 2022

「貴方にとってMGSとは？」と聞かれ、「オリンピックみたいなもの」と答えた事がある。3〜4年ごとの一大イベント。世界舞台での闘いという大目標に人生を刻む。その先のことは何も考えない。後半はきつくなり、もうこれで最後と引退を考える。でも発売を終えると、また次の大会の事を考えている。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) July 27, 2012

最初に会社へ提出した企画書。昔にひでぶ(Blog)？で公開して載せた写真。当時は24歳？ワープロもないので全て手書きとコピー切り張り。最初は「JUNKER」だった。商標が通らず、敵の名称である「SNATCHER」に。「METAL GEAR」も企画時は「INTRUDER」だった。「POLICENAUTS」も最初は「BEYOND」だった。 https://t.co/zVmQxolTLk pic.twitter.com/qyyq28PI5R

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) November 26, 2022

Spotifyのポッドキャスト「ブレスト」でメタルギアの主人公のコードネーム、SOLID SNAKEの“SOLID”の由来はYMOの「ソリッド・ステイト・サヴァイバー(クリス・モズデル作詞)」から来ているという話をしたら、かなり反響があった。懐かしくなって、買いそびれていた2018年に出た結成40周年記念CDを購入。 pic.twitter.com/bjUonmJE5o

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) September 21, 2022

メタルギアに登場するダンボールは僕の大好きな作家、安部公房氏の「箱男」へのオマージュ。被ると見つからないというゲーム性だけではなく、覗く側と覗かれる側の視点、隠れる側と見つける側の視点をゲーム上でリアルタイムに切り替えて欲しかったから。ゲームとは常に虚構世界を覗く視点で成立する。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) August 28, 2015

1987年当時、MSXの雑誌に掲載された「メタルギア」の広告コピー。

「ドッキン　ドッキン」

あなたの心臓の音、聞かせてさしあげます。

スリルとサスペンスが渦巻く、ハードボイルドタッチの超話題作。はたして今まで、これほどまでに緊張感にあふれたゲームがあっただろうか････。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 25, 2014

25年前「メタルギア」が完成したのはある恩人のおかげ。入社年、任された僕の初監督作は制作中止となった。おかげで成果のない僕の企画には誰も賛同してくれなくなった。退社を決意した日、ひとりの先輩が話を聞いてくれ、会社やチームの間に入って制作をサポートしてくれた。感謝を忘れた事はない。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) July 19, 2012

例えば、昔のゲームデザイナーはLOGOの座標位置など、こんなことまで細かく指示しないダメだった。MSX2版「METAL GEAR (1987)」のタイトル表示画面の仕様書。ただし、これは没仕様。 http://twitpic.com/3rwoyd

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) January 21, 2011

メタルギア2では卵というアイテムを持っていると卵が孵って蛇や梟になりますw

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) October 16, 2022

https://twitter.com/Kojima_Hideo/status/1492766742787260419

最初の「METAL GEAR」の時は新人で他部署で作られるパッケージには全く関与させて貰えなかった。本作ではパッケージにも製作者が関与出来るようにお願いした。高荷先生にイラストを依頼、シンプルな英語書体のみでロゴを組み、イラストを小さくしてミリタリー風でありつつ、お洒落なデザインを施した。 https://t.co/QfPzRQwvCd pic.twitter.com/whHYe9oKth

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) July 20, 2022

「METAL GEAR2 SOLID SNAKE」でさえ、発売からもう３２年？！！実は、この続編タイトルは「インディ・ジョーンズ」風に主人公の名前だけにしようと画策していました。「METAL GEAR2 」とは入れたくなかったのですが、営業からは「METAL GEAR2 を入れてくれ！」といわれ、両方の表記になりました。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) July 20, 2022

僕的に「最も印象的なMGでのボス戦」は？

「メタルギア2 Solid Snake」の「ランニングマン」かなw

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 10, 2012

MSX2版「METAL GEAR2 SOLID SNAKE(1990)」の企画書。この頃は「一太郎」というワープロソフトで企画書を書いていた。上長から「小島の字は汚くて読めん。ワープロやないと読まんわ」と云われたので仕方なく。 http://twitpic.com/3rwlqg

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) January 21, 2011

MG続編で考えたのはテロリストが核兵器廃棄施設を占拠するというプロット。1988年にその事をスタッフに話したところ、「核ジャックなんてリアルじゃない」という感想。そこで石油を精製する微生物”OILIX”を巡る話に。ただザンジバーランドが廃棄用核兵器庫を襲撃、核武装を遂げるという設定は残した。 pic.twitter.com/g8ilCg5o3w

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) February 13, 2022

海外発売の際にネーミングに関して海外マーケから変更を迫られた。METAL GEAR SOLIDというタイトル、FOXHOUNDのメンバーのコードネーム全般。リキッド・スネークも。これは当時仲が良かったイノケンにも言われた。中でもデコイ・オクトパスは「偽忍者」と同じような意味だからやめろ！と。押し通したw

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) September 27, 2022

「ソリッド」は物理用語でいう3Dです。MGSがシリーズ3作目であり、ポリゴン化で立体になったのをかけてます。“@tareisio: @Kojima_Hideo 前から疑問に思ってたのですが
なぜメタルギアとメタルギアソリッドは同じスネークが主人公なのに
タイトルが違うのですか？”

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) June 11, 2011

MGS1時、大塚さん達も初めてのメタルだったので現場に信頼関係が出来て、いい雰囲気になったのがラストシーン近くになってから。「最初から取り直したい！」と大塚さんが言ったのを覚えている。今日の収録で声優さんではなく、三好さん達と漸く一体感が出た、いい現場が出来上がった気がする。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) August 20, 2010

あらゆるシリーズものの最終話がそうであるように、「MGS」では最強の敵を出す必要があった。そうなると、スネークを超える者はスネークしかない。そこでクローンを登場させた。SOLID（個体）に対して、もうひとりは相反するLQUID（液体）。固体と液体の闘い。それが「MGS」である。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 6, 2014

2001年4月30日。アーセナルギアがNYに突っ込み、NYSEの屋上でライデンとソリダスが対決するシーンのモーキャプ収録をした。モーキャプ収録の最終日だった。大道具さんに大掛かりな傾斜のある屋上セットを造って貰った。偶然にもソリダスが語る4月30日だった。この日は何故かメタルの日と呼ばれている。 pic.twitter.com/zH0hTlaMJH

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) April 29, 2022

メタルギアを未プレイの人には、この角川文庫から出ているノヴェライズ本を読むのがいいかと。また遠い昔にプレイした人も今読んでみると新しい発見や理解があるかも。 https://t.co/eKcOwQEORk

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 12, 2022

因みに「雷電」という名は大戦中の日本海軍の局地戦闘機「雷電」から。連合国側のコードネームは「ジャック」。MGSで出てくるメタルギアやキャラクターの名前は戦闘機や兵器からとっているものが多い。「REX」は水上戦闘機「強風」、「RAY」は零式艦上戦闘機。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) September 27, 2011

https://twitter.com/Kojima_Hideo/status/1459529143776071687

https://twitter.com/Kojima_Hideo/status/1631662213030367232

MGS3冒頭で、トム(ゼロ)少佐が映画「大脱走」の話をしていたと思いますが、当初は「大脱走」に出てくる3つのトンネル(ディック、ハリー、トム)に合わせて、途中でゼロ少佐が名前を変えていくという僕の企画でした。ただ映画と史実の発見されたトンネル名が異なるらしく、結局は今の簡易版にしました。 https://t.co/3fUYQOqoPq

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 3, 2023

このMGS3で登場した“ワニキャップ”のセルフオマージュがMGSVの“チキンキャップ”。またデスストの“ラッコフード”も同じ。ただ当初の僕のアイデアでは、全身着ぐるみの“ラッコスーツ”だったが、もろもろ他仕様との整合性が難しく、フードに変更した。当時のしんちゃんのラフスケッチ(未公開？)が笑える https://t.co/DfHdKLmsY1 pic.twitter.com/QbfrfqV7zo

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 4, 2023

出てます。「メタルを買ってきたのにゲームが始まらない！」チャンネルの多い欧米文化への風刺ネタです。“@THEhumanism: @Kojima_Hideo MGS4の最初に見る色んな番組の中で料理番組がありましたが、あれの意味はなんですか？後、監督でてますよね？(笑)”

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) October 10, 2010

コジプロのスタッフに次を委ねようとするといつもこう言われる。「ファンは監督のメタルじゃないと駄目ですよ」。そんな事はないのだが。「スピンオフなら出来る？」と若者達に旧RISINGを委ねた。彼らのRISINGが世に出ていたとしても「メタルじゃない？」と感じる人は多かったに違いない。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) December 11, 2011

新生「RISING」。「色味や空気感がメタルじゃない？」と感じたひともいるだろう。コジプロで試作していた旧RISINGは、絵創りはメタルらしいが30フレームで複雑な操作を要求されるものだった。僕がプラチナさんにお願いしたのはひとつ。「60フレームで気持ちよく動く、恰好いい雷電」。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) December 11, 2011

小説版「メタルギア ソリッド ピースウォーカー」は「GZ」をプレイした直後に読むと、かなり「くる」と思います。「PW」未プレイの人もパスやチコ、カズやスネーク達の思いをより強く痛く、感じることでしょう。より「抑止力による平和」幻想が解け、「報復」への繋がりが分かり易くなります。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 26, 2014

「カズ」や「ザ・ボス」の過去をもっと知りたい方はこちら。「PW」のノヴェライズ本「メタルギア ソリッド ピースウォーカー」。 pic.twitter.com/F3tv3oAcSz

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 1, 2014

そもそも2010年にPSPでMGSを発売したのは、クラウド時代を見据えた「持ち運べるMGS」の市場実験。FOXエンジンを制作したのは、現行機でもオープンワールドを効率良く実現できるようにする為。「GZ」ではリモートプレイ、スマホやタブレットが使え、シェア機能でSNS的な楽しみも。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) February 16, 2014

今回のMGSはPSPなのでレーティング「C」を目指しました。若い人でも遊べる様に流血表現を断念しました。でも世界観やテーマ性はいつものままです。反核反戦ですが、「抑止論」を基にした軍拡反戦を真面目に描いてます。本当は「B」にしたかったのですが、戦争ゲームだからダメみたいです。

— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 3, 2010